
転校前に絶対外せなかった「親子の話し合い」と「学校見学」
私立小からの転校を決意し、転居先と新しい公立小学校が決まった頃。 私たちがまず最初に行ったのは、「息子自身との話し合い」と「新しい学校の見学」でした。
子供の気持ちを置き去りにして進めるわけにはいかないので、平日の日中に親子で新しい学校を見学させていただき、登校ルートも実際に一緒に歩いて確認しました。 転校することで生まれるメリットも、今までのお友達と離れるなどのデメリットも隠さず伝えました。
その上で、息子自身も「新しい学校に行く」と納得してくれたことで、私たちはようやく私立小の退学手続きを進めることになります。

担任不在の中、連絡帳で伝えた「退学」の意思
親子共に転校の意思は固まったものの、当時は先生の入れ替わりなども重なり、担任の先生が体調不良で長期のお休みに入られているタイミングでした。
直接お話ししてお伝えするタイミングがなかなか掴めなかったため、意を決して連絡帳で退学の意思をお伝えすることにしました。
連絡帳には「一身上の都合で退学(転校)をすることにしたので、退学届をいただきたいです」という旨を書いて、息子に提出させました。
その日は教頭先生が担任代理をしてくださっており、連絡帳を見た教頭先生からすぐにお電話をいただくことになります。
教頭先生からのお電話。「引き止め」に対する我が家の返答
色々と思うところはあった学校生活でしたが、当時の教頭先生は本当に素敵な方でした。

こちらに何か不手際があったのであれば、すぐにでも周知するので教えてください。
私たちに何かできることがあり、それによって転校を考え直してくださるのであれば…

わたくし共の教育方針の変更による転校ですので、そのようなことは一切ございません。
先生方には大変良くしていただきました。本当にありがとうございました。
引き止めてくださる教頭先生に対し、私からは「そのようなことは一切ございません。わたくし共の教育方針の変更による転校ですので。先生方には大変良くしていただきました。ありがとうございました。」と、感謝の気持ちとともにお伝えしました。
退学届の受理。「もう後戻りはできない」交錯する思い
後日、封筒に入れられた退学届を息子が持ち帰り、翌日提出して無事に受理されました。

「もう引き返せないんだな…」という不安な気持ち。3年間息子が過ごした場所での思い出。そして、新しい学校や生活への期待。当時は様々な感情が入り混じっていました。
そして後日、お休みされていた担任の先生から、直接お電話をいただく機会がありました。
先生は学校での息子の様子を温かく振り返りながら、こんな言葉をかけてくださったのです。

〇〇くんは指先がとても器用で、高学年の子どもでもなかなか作れないような素晴らしい工作作品を作って、よく見せてくださっていました。
ぜひ、〇〇くんの素晴らしい表現力や才能を伸ばしていただきたいな…と思っています。
教員としてこれまでたくさんのお子さんを見てこられた先生からの言葉は、私の胸に深く深く刺さりました。
正直なところ、息子はお勉強やスポーツにおいては人並みの能力なのかもしれません。
けれど、集中力や手先の器用さ、ものづくりに対する意欲や関心は、親バカ目線抜きにしても「人一倍秀でた素晴らしい強み」だと私自身も感じていました。
転校という我が家の選択が、本当に正しかったのかどうか——それはずっと先の未来にならないと分からないかもしれません。
それでも、最後に担任の先生からいただいた温かいお言葉は、まるで私たちの選択を優しく応援してくださっているかのようで、胸がギュッとなるほど嬉しかったです。
今でも時折、「これで本当に良かったのかな…」と心が揺らぐ瞬間はあります。
ですが、先生が届けてくださったあの言葉を大切なお守りにして。新しい道を「希望の道」だと信じ、これからも息子の良いところを全力で伸ばしていきたいと思います。

